曇天妄想。
[VQ300] 今朝の空。ちょっとどんより。
夕刻。
もうすぐ春になるとあって日は延びたようだが、それでも空気はまだ冬の温度を残していた。
街路を立ち並ぶ桜並木は、その枝に花芽をいっぱいにたたえて、それは今にも咲きほころばんとしていたが、まだこの冷たい風の中では、それもどこかそぐわないような心地がした。
彼女は、ふわふわとした歩き方をする。
手を繋ぐのは、そこに彼女がいるかどうかを確かめたいからだ。
でもいつだって、この手の先が消えて無くなってしまっているのではないかという不安に駆られていた。
「もうここで大丈夫」
そう言って、彼女が手を離した。
僕の指が宙を掻き、彼女の瞳が寂しげに曇る。
彼女はその泣き出しそうな瞳で僕の目をまっすぐに見つめ、ゆっくりと首を横に振った。
そして、そのふくよかな唇で哀しい微笑みを浮かべ、もう一度、僕の手をとった。
「……もう帰るのよ」
「きみとまだ離れたくない」
「だめ。帰るの」
彼女は、優しく諭すようにそう言って、僕の手を離した。
「あなたと私とは存在のしかたが違うのよ」
鼻の奥が鈍く痛み、僕は涙を堪える。
彼女の哀しみを知ってなお、彼女の前で泣いてしまうわけにはいかなかった。
「……私には過去も未来もなく、ただ『現在』を転々としている。
あなたたちから見るとそれが繋ぎ合わさって、
一連の人生を生きているように見えるかもしれないけれど、
実際はそうではないのよ。あなたたちとは時間の概念が違うの」
「それなら、僕たちはなぜ出逢ったんだろう」
何度目かの同じ会話を僕たちは繰り返す。
だからもう、僕たちは互いの言葉を聞くまでもなく知っていた。
それでも僕たちは、何度も何度も確かめるように、同じ言葉を繰り返す。
そして僕は、また彼女に残酷な言葉を言わせてしまう。
「私たちが出逢ったのではないの、私があなたの時間を通り過ぎているのよ」
ただそれだけ、と、声にならない言葉が僕の耳に届く。
僕はゆっくりと顔を上げ、どんよりと曇った空を見上げた。
涙が零れることのなかった頬を、ぽつり、と天空から落ちたしずくが濡らした。
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っていう、妄想がふくらむ曇天の朝でした。
もちろんこの文中の「彼女」は若干、パームのジョゼ=ルージュメイアンをパクって(インスパイア?(殴))いるので、自分の作品だなんて堂々と言えないんだよ、あはは、妄想はたのしい。
こーゆーショートショートは設定とか文脈とかあんま気にしないで書けるので楽しいなあ、なんて。
ちょっと今日はイロイロ失敗の連続でずっと失敗だったので、早く寝たかったんだけど失敗のせいでなかなか寝られず。
1時には寝たいなあ、いや寝るよ、寝るけども。そんな感じです。
あ、御苗場には今回、5点だけしか出しません。気が変わるかもしれないけど。変わらなければ5点だけ。
5点でも多いかなー。ま、今回は楽にいきます、はい。


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